introduction

イントロダクション

ともに正解を創造しよう。
社会の安全と安心のために。

MS & ADグループがシリコンバレーで最先端を走る
天候予測モデルを有するスタートアップと前例のないビジネスを創り上げました。
そこに込められた挑戦と志を紹介します。

佐藤 貴史

1996年入社
MS & ADベンチャーズ President

正解を創造する場所。

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「シリコンバレーは正解を見つける場所じゃなく、正解を創造する場所なんだ。ぜひ我々と一緒に正解を創り出そう」。Jupiter社が私たちの投資を受け入れると決断した背景には、私たちのそんな言葉が響いたからに違いありません。そこに至るまでは遠い道のりでした。

シリコンバレーの新聞でJupiter社のことを知ったのは私がシリコンバレーにMS & ADインシュアランスの駐在員として着任して3ヵ月後の2017年8月のこと。すぐさま「ぜひ一度会いたい」という熱いメールを送ったもののナシのつぶてで、何度メールを送っても返事はありませんでした。その後2018年10月にMS & AD Venturesを設立し、改めてメールしましたが、ここでも返信はありません。どうやら有力投資家経由でアプローチしなければだめだとわかり、当社パートナーであるJon経由で有力投資家と面談を行い、「紹介してもいい」との言葉をもらうまで4ヵ月かかりました。

シリコンバレーには「ビジネスモデルは旅をしない」という言葉があります。国や地域に合わせてビジネスは変えていかねばならないとの意味です。やっと面会かなったCEOに向けて私たちは、日本で一緒に「正解」を創造しようと提案し、投資へと結びつけることができました。

シリコンバレーの空気は、私たちに「うちの会社って世の中にどんな形で役立っているんだろう」と考えさせてくれます。私たちの本来の役割とは保険金を支払うことではなく、安全で安心な世界をつくるために貢献することです。「解決すべき社会課題の提示」から始まるスタートアップのプレゼンテーションに触れながら、私は三井住友海上の“あるべき姿”を思い返し、モチベーションとすることができました。

Jupiter社の技術は、自然災害の事故による損害からお客さまを守るための防災・減災の対策を講じるうえで有力なものです。佐藤たちのプレゼンテーションは同社経営陣の強い共感を呼び、CVCからの投資の快諾につながりました。
佐藤たちはJupiter社の成長をサポートする立場として、日本進出のストーリーについて議論を重ねました。そして日本の仲間たちにコラボレーションに向けた具体的な取り組みを託しました。

Jupiter社の日本進出。

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佐藤からバトンを託されたのは、Jupiter社のビジデブ(事業開発)を担当する秦 孝陵でした。2019年7月、Jupiter社のCEOであるRich Sorkin氏が来日。秦は「同社の技術を日本に広める絶好の機会」と受け止め、グループ内の様々な事業会社、事業部門とのマッチングに奔走しました。

日本では類のない技術を有した海外スタートアップであるJupiter社の技術を必要とし、言語の壁を超えてでも新しいビジネスを立ち上げるという気概を持ったパートナーを社内で探すことに、秦は全力で取り組んだのです。

最初は、天候リスクをカバーする新たな保険商品の開発、あるいは事故時の保険金支払いプロセスを支援するシステムの構築などを狙い、商品部や損害サポート部門とのマッチングも考えましたが、海外スタートアップで日本でも実績がまだない同社の技術をマッチさせるビジネスユースケースを描くことに苦慮します。そんな中、Rich氏の出張期間中に、SDGs推進を担当する浦嶋 裕子と、気候変動リスクのリスクマネジメントを担うインターリスク総研の寺崎 康介とのマッチング面談が実現しました。