現在の仕事内容を教えてください。

アメリカ現地法人と本社との橋渡し業務を担当しており、主にアンダーライティング・再保険領域に携わっています。アンダーライティング業務で現地と本社が連携することにより、海外市場でのリスク管理と保険契約の品質を確保し、顧客のニーズに応えることが可能になります。必要に応じて再保険も活用し、当社が保有するリスクを他の保険会社や再保険会社に移転することで、リスクを低減させることもあります。
日々の業務では、本社のアンダーライティング部門が設定したポリシーやガイドラインを、現地スタッフを管轄するマネージャー層に共有。現地でのアンダーライティングの一貫性を確保し、リスク評価や保険条件の設定の基準を明確にします。それとは逆に、現地の取り組みをまとめたレポートやデータを本社に提供し、リスク管理の結果や保険契約の状況、市場動向などを伝えることもあります。

プロジェクトや普段の仕事で成長した点を教えてください。

現地法人は本社と比較して小さな組織であり、経営層と話す機会が増えたので、今までよりもビジネスの視野は広がったように感じます。また、私が出向しているアメリカ現地法人は、保険マーケットの特性や国の規制など、日本とは全く異なっており、それらをきちんと理解した上で業務に取り組む必要があります。新たに学ぶことや課題も多いですが、それを乗り越えて他の駐在員や現地スタッフと信頼関係を構築することができたときには、とてもやりがいを感じます。

今まで利用した社内制度はありますか？

2019年に「MSビジネスユニバーシティ（MSBU）※」へ応募して合格をいただいています。当時は国内の部署で海外スタッフとメールのやり取りなどをしていたのですが、現地を実際に見てみたいという思いが高まり応募に至りました。しかし、新型コロナウイルスの影響で海外での研修が中止に。非常に残念ではあったのですが、当時調べた駐在員の知識や情報はその後の出向時に活かされています。

※MSビジネスユニバーシティ（MSBU）……豊かな国際感覚と専門性を備えた各分野のスペシャリストを育成するために、語学研修（中国語、スペイン語等）や海外事業研修、専門人財育成研修（経理、システム、再保険など）、MBA取得研修などに社員を派遣。中長期的な視点に立って戦略的にグローバル人財の育成を図っています。

現在向き合っていることについて教えてください。

普段の仕事で苦戦しているのは、価値観の違いです。一般的に日本人は「曖昧さ」を残しつつ柔軟に進めていくことが多いと思いますが、現地スタッフは白黒はっきり決めることが習慣化しています。一例として、契約ごとに個別で判断するのではなく、全体のルールを決めて統一するなど。駐在員は本社の意向も汲み取った日本人特有の「柔軟な対応」が求められることも多いため、最初は戸惑うこともありました。
現地スタッフと目線を合わせるために心がけているのは、できるだけ具体性を持って示すこと。例えば、本社のガイドラインが改定される際には現地の運営に落とし込み、実際にどの契約にどのくらいの影響があるのかを説明します。その上で相手の立場で考え、一歩先を読んだ行動を実践していくことが、現地スタッフとのやり取りでは大切だと感じています。

三井住友海上で挑戦したいことはありますか？

再保険についての知識・経験をさらに増やして､会社全体でどれくらいのリスクを再保険会社に移転するべきなのかなど、経営目線でのリスクの最適な分担を考えられるようになっていきたいです。大きな損害に対する財務的な安定性を確保することは、社会的にも重要な仕事だと感じられるからです。
また、中長期的には保険商品の開発にも携わっていきたいと考えています。以前所属していた新種保険部は保険商品の開発も業務領域の一つでしたが、そのときは営業部からの申請業務に対応するだけで精一杯でした。これまでの経験も活かしつつ、お客さまにとって最適な保険商品をつくっていきたいと思います。

学生のみなさんへメッセージをお願いします。

毎日スーツを着て説明会に行ったり、たくさんの面接を受けたりするのは根気が必要ですが、就職活動は世の中の様々な企業について知ることができる貴重な機会だと思います。自分のやりたいことを初めから決めつけるのではなく、広い視野を持っていろいろなところへ足を運んでみてください。その結果、自分に適した業界や仕事が見つかることもあります。
私自身も就職活動中は、海外駐在員に全く興味がありませんでしたが、国際業務に取り組む中でグローバルな働き方に魅力を感じるようになりました。皆さんの可能性は無限に広がっているので、積極的に挑戦していってくださいね。